研究活動

プロジェクト研究

「日本運動疫学会プロジェクト研究」新規採択のお知らせ

「日本運動疫学会プロジェクト研究」令和6年(2024年)第2期におきまして、以下の研究プロジェクトが採択されました。

 

研究課題名:厚生労働省ガイドラインに基づく身体活動・運動・座位行動・体力と健康に関する研究課題の同定:ガイドライン策定研究班と日本運動疫学会員を対象とした検討
研究代表者:原田和弘(神戸大学・大学院人間発達環境学研究科・教授)
研究組織(50音順):阿部巧(明治大学)、金居督之(金沢大学)、城所哲宏(日本体育大学)、喜屋武享(琉球大学)、清野諭(山形大学)、田島敬之(東京都立大学)、辻󠄀大士(筑波大学)、中村学(慶應義塾大学)、原田和弘(神戸大学)、本田貴紀(九州大学)、町田征己(東京医科大学)、門間陽樹(東北大学)、宮脇梨奈(明治大学)

研究の概要(研究代表者より):
 厚生労働省が発表した「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、37ページ「5.おわりに」で、今後の研究課題として、妊産婦や障害のある人の科学的知見が不足している点、座位行動の中断による健康影響に関する科学的知見の蓄積が必要である点、および筋力トレーニングは頻度の推奨に止まる点に言及しています。しかし、これらの点以外にも、身体活動・運動・座位行動・体力と健康について、多くの重要な研究課題が存在している可能性があります。
 そこで本プロジェクトでは、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」および付随して公表予定の新アクティブガイドに基づき、身体活動・運動・座位行動・体力と健康について、日本での研究課題を詳細かつ網羅的に整理します。また、整理した研究課題のうち、どの課題を、日本運動疫学会会員は優先順位の高いものとして認識しているのかを明らかにします。
 本プロジェクトは、身体活動・運動・座位行動・体力と健康に関する研究発展の一助となることを目指しています。また、本プロジェクトの成果は、日本運動疫学会内で積極的に発信し、学会員と広く共有できるように努めます。

 

 

「日本運動疫学会プロジェクト研究」令和7年(2025年)第1期募集のご案内

日本運動疫学会では、運動疫学研究の発展に寄与するとともに、社会貢献度の高いと思われる運動疫学研究の推進を支援することを目的に、2014年よりプロジェクト研究認定制度を発足しています。現在、令和7年(2025年)第1期募集を行っていますので、下記の運用方法をご確認の上、奮ってご応募ください。

 

  1. 「日本運動疫学会プロジェクト研究」の募集期間は?
     第1期 2025年2月1日~4月30日
     *募集期間は原則2月1日~4月30 日および7月1日~10月31日の2期間
  2. 「日本運動疫学会プロジェクト研究」に認定されるメリットは?
     日本運動疫学会が有するネットワークとの連結や情報共有などの面で、学会から研究プロジェクトの支援を受けることができます(金銭的支援は含まれません)。
     具体的な支援内容としては、例えば、日本運動疫学会のネットワークの活用(会員へのアンケート・資料提供・エビデンス提供の依頼など)、共同研究グループの組織化(専門家への協力依頼・研究協力者の募集など)や、研究デザインの構築、会員内外への周知・広報などが挙げられます。
  3. 「日本運動疫学会プロジェクト研究」への応募条件は?
     本制度の応募の研究代表者は日本運動疫学会会員とします。
  4. 「日本運動疫学会プロジェクト研究」の認定基準は?
     (1) 新奇性・独創性が高い、(2) 大きな成果が期待できる、(3) 社会貢献度が高い、などの要件を満たす運動疫学に資する研究を総合的に判断して、認定します。
  5. 「日本運動疫学会プロジェクト研究」の具体例は?
     これまでに認定を受けたプロジェクト研究は次の通りです。
     (1) 介入研究によるエビデンスの「つくる・伝える・使う」の促進に向けた基盤整備 (研究代表者 筑波大学体育系 中田由夫先生)
     (2) 運動疫学セミナーの評価に関する調査研究(研究代表者 東京都健康長寿医療センター研究所 笹井浩行先生)
           主な支援内容:会員へのアンケート調査の実施
     (3) 身体活動環境のオーディットツールの作成と評価(研究代表者 日本体育大学スポーツマネジメント学部 齋藤義信先生)
      主な支援内容:専門家への協力依頼
     (4) 身体活動・運動疫学研究における重要文献(第2版)の作成(研究代表者 東海大学体育学部 松下宗洋先生)
      主な支援内容:学会メーリングリストを使った会員からの推薦文献募集
     (5) 標準化された方法によって評価した日本人の身体活動・座位行動の実態(研究代表者 東京医科大学公衆衛生学分野 井上茂先生)
      主な支援内容:会員からの身体活動調査の集計データの投稿募集
     (6) 歩行困難な回復期脳卒中者における身体活動量計を用いた理学療法実施中の活動強度の測定精度:多施設共同横断研究(研究代表者 金沢大学
      融合研究域融合科学系 金居督之先生)
      主な支援内容:会員内外への周知・広報および研究グループの組織化
     (7) 身体活動ガイドラインの認知度調査、並びに評価尺度の開発(研究代表者 東京都立大学大学院人間健康科学研究科 田島敬之先生)
      主な支援内容:学会員への周知・情報提供、ガイドライン認知度調査の基盤づくりに向けた意見聴取・協力の依頼、研究グループの組織化
     (8) 厚生労働省ガイドラインに基づく身体活動・運動・座位行動・体力と健康に関する研究課題の同定:ガイドライン策定研究班と日本運動疫学会員を対象とした検討                            
      (研究代表者 神戸大学・大学院人間発達環境学研究科 原田和弘先生)
      主な支援内容:学会員への周知・情報提供、学会員を対象とした調査、学会行事における話題提供の機会設定、学会の広報ツールを用いた成果の発信
  6. 「日本運動疫学会プロジェクト研究」応募の手続きは?
     認定を希望する会員(研究代表者)は、所定の内容を記載した申請書をプロジェクト研究委員会に提出してください。
     フォーマットがありますので、応募希望者はこちらからダウンロードしてください。
     プロジェクト研究委員会は申請された研究の審査を一定の期間内に終了し、承認した研究を理事会に報告します。
     審査結果は速やかに研究代表者に通知します。承認された研究は、本学会認定のプロジェクトとして学術総会ならびにホームページ、メーリングリスト等で
     学会員に公表します。
     プロジェクト研究委員会は当該研究推進のために、研究者の希望に沿った支援あるいは調整を積極的に行います。
     *研究の提案は随時受け付けています。会員以外からの相談も受け付けます。制度利用の方向が固まれば、規定の期間に会員(研究代表者)が応募することに
     なります。
  7. 「日本運動疫学会プロジェクト研究」の研究期間は?
     申請時に研究期間を明示してください。最長3年としますが、更新は可能です。
  8. 「日本運動疫学会プロジェクト研究」成果の公表は?
      研究代表者は研究終了後に研究成果を理事会に報告するとともに、本学会の学術総会や会誌(運動疫学研究)にて公表することを原則とします。
      プロジェクト研究委員会では、他委員会とも協力して、認定研究の成果が広く社会に役立つよう、会員および一般への周知に努めます。
  9. プロジェクト研究委員会への研究提案・相談、各プロジェクトへの問い合わせ先は?
      日本運動疫学会プロジェクト研究委員会( jaee.project@gmail.com )までご連絡ください。

プロジェクト研究委員会一同

プロジェクト研究の成果

 研究課題名  研究組織
(〇は研究代表者)
研究期間  研究成果
介入研究によるエビデンス
の「つくる・伝える・使う」
の促進に向けた基盤整備
〇中田由夫、笹井浩行、
北畠義典、種田行男
2015年2月~
2019年3月
【論文】
中田由夫ほか. 介入研究によるエビデンスの「つくる・伝える・使う」の促進に
向けた基盤整備への呼びかけ ~日本運動疫学会プロジェクト研究~. 運動疫学研究. 2015; 17(2):
113-117.

【関連資料】
特集「介入研究によるエビデンス提供」
身体活動・運動疫学研究に
おける重要文献(第2版)
の作成
〇松下宗洋、井上茂、
小熊祐子、鎌田真光、
笹井浩行、中田由夫、
原田和弘、門間陽樹
2018年6月~
2023年5月
【論文】
松下宗洋ほか. 身体活動・運動疫学研究における重要論文20本(2009~2018).
運動疫学研究. 2022; 24(1): 19-33.
身体活動環境のオーディット
ツールの作成と評価
〇齋藤義信、井上茂、
岡浩一朗、岡田真平、
小熊祐子、鎌田真光、
菊池宏幸、武田典子、
村上晴香
2017年3月~
2023年6月
【論文】
Saito Y et al. Inter-rater reliability of streetscape audits using online observations:
Microscale Audit of Pedestrian Streetscapes (MAPS) global in Japan. Prev Med Rep. 2022; 30: 102043.

【関連資料】
身体活動環境のオーディットツール・マニュアル
MAPS Global調査 日本版
MAPS Mini調査 日本版
MAPS Globalトレーニングマニュアルと画像付きガイド

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